第13回 子どものまち・いえワークショップ提案コンペ 審査員講評
審査委員長:手塚由比 (建築家/手塚建築研究所代表)
今年で審査委員長3年目ですが、毎年違うテーマが出てくるのが面白いと感ました。子どもの施設を設計することが多く、子ども目線で考えることは多いけど、今年は子どもどころか人間以外の小人や動物目線で街を考えるWSの提案が出てきて面白いと感じました。賞を取ったグループも取れなかったグループも、将来絶対自分のためになりますので提案したWSを是非実現してほしいと思います。
中津秀之 (関東学院大学建築・環境学部 准教授)
皆様おめでとうございます。賞もらった人、もらえなかった人、それぞれにお願いがあります。企画したワークショップを必ず実行してください。お金がかかったとしても絶対やってください。その経験は絶対に自分のためになります。どんな業界に行こうとも絶対プラスになります。今年は建築系の参加者が多かったですが、過去の会を振り返ると心理学や、保育、教育の分野からの参加者が多かった年もありました。ワークショップを企画することは、他領域の人たちとの交流を考える上でとても有効な活動となります。深い洞察力(深いというのがポイント)や横のつながりを作ってください。他の大学ともつながってください。他領域の知り合いは将来仕事をするようになった時にものすごいプラスになります。
津川恵理 (ALTEMY代表)
今回このようなコンペがあることを初めて知りました。とても面白い取り組みですね。渋谷パルコの9階にGAKUという10代向けのクリエイティブクラスが行われています。各分野の第一線で活躍されるクリエイターが曜日ごとに授業をもっていて、その中の建築・都市枠の講師をしているのですが、今日のコンペの中に実際に授業で行っている内容と似ているものがたくさんありました。他分野のクリエイターの授業も、デザインの幅を広げる大変興味深いものがたくさんあるので、ぜひGAKUを参考にしてみてください。津川賞の「まめだいくの雲づくり(新潟大学)」については、普段当たり前に見ている地域の特性を再発見できて、それを地域で共有できるローカルコミュニティーにもつながり得る、とても社会的なプロジェクトだと思い、評価しました。
中高生審査委員:熊谷沙羅 (Book Swap Japan代表)
今年からコンペの審査委員に中高生が出るということで、建築には興味がなかったので少し心配でしたが、私自身は本を中心に地域の居場所を作るという事業をやっていて、地域の事業も建築にも通じるものを感じました。今日は建築については専門の方々にお任せして、子どもの目線でどれが一番ワクワクするか、という目線で選びました。
中高生審査委員:豊田英杜 (株式会社 unpacked 運営本部 アソシエイト)
普段小中学生向けの授業をやっているので今回の審査もその目線で見るとワクワクするものがたくさんあってとてもよかったです。先述のGAKU以外にも渋谷にはSHIBUYA QWS(渋谷 キューズ)というところがあって、自分の事業のマイナースポーツ活性化プロジェクトというものに予算をつけてもらっています。色々なサポートが受けられるところなので皆様もぜひ活用してみてください。